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2007/06/24

電気の話(1)

ついでと言ってはなんですが、以前から書こうと思っていた電気関係について:電気は電圧が高いほど危険って感じですが、電圧の絶対値ではなく相対的な差=電位差が問題となってきます。つまり、5Ωの抵抗があって、一方の端が0V、もう一方が5Vだと(5-0)/5=1Aの電流が流れます。また、一方が600Vでもう一方が605Vの場合も、(605-600)/5=1Aの電流が流れるわけです。例の架線事故では2つの架線の電圧が違ったために電流が流れた(正確にはアークが飛んだのかな?)のですね。で、ここから本題:電気機関車とパンタグラフのお話です。

Q:交流区間では、なぜパンタグラフを1基しか使わないんですか?

A:交流というのは、時間とともに電圧が変化します。ある瞬間では0Vだが、別の時間では20000Vであるとなります。ここで、電気が伝わる速度は有限(光と同じ30万km/h)ですので、架線のような長い距離を伝搬する場合、場所によって電圧が違ってくるということになります(水面を波が伝わるようなイメージです)。つまり、ある瞬間、ある場所では0Vだが、別の場所では20000Vであるとなります。パンタグラフが2基あるということは別の場所から集電していることになりますので、それぞれのパンタグラフにかかる電圧が違うということになります。ちなみに、50Hzの場合、その波長は30万km/50で6000kmとなり、交流20000Vでパンタグラフの間隔が20mだとすると、その電位差は最大約0.4Vになります(計算があったいるか自信はない)。この電位差によって、電動車内を電流が流れてしまいます。これでは都合が悪いので、交流区間では1つの電動車/機関車に対して1基のパンタグラフを用います。

Q:というか、直流区間でなぜ2基もパンタグラフを装備する必要があるのですか?

A:架線などの導体を電気が流れる場合、電気抵抗が問題になってきます。抵抗が大きいと熱などのロスが発生し電力というエネルギーを効率良く伝達することが出来ません。パンタグラフは架線に接しているだけで、しかも滑って動きますので接触抵抗が特に大きくなります。この抵抗を減らす為には接触面積を増やす:即ちパンタグラフの数を増やすのが手っ取り早いことになります。

電気抵抗(r)によるエネルギーのロス(Q)は電流(I)に比例(Q=Ir^2)しますので、集電時の電流を減らせばロスも減ります。また、同じエネルギーを伝達するのに電圧を上げれば電流は少なくて済みます。交流区間でパンタグラフが1基で問題ないのは、電圧が高い為です。ところが、直流はあまり高電圧には出来ません。詳しくは省きますが、遮断が困難などの理由があります。交流20000Vに対し直流は600Vとか750Vが主流でした。家庭に送られてくる電力が交流であることからも分かるように、送電という観点からは交流の方が都合いいのです。電圧が低い直流だと架線自身の電気抵抗による電圧降下が大きくなり、それを補正するための変電所の数が多く必要になります。さらに交流に比べて直流用変電所は構造が複雑で費用も掛かりますので、直流電化は益々建設費が高くつくということになります。近年では直流でも電圧を高くする傾向にあります(それでも1500Vと交流に比べて低いですが)。また、チョッパ制御などで電動車の効率が上がっている、即ち少ない電流で大きなパワーが得られるようになってきていますので、最近の車両はパンタグラフが1つの電動車に付き1基の物がほとんどになっています。しかし機関車の場合、大パワー・大電流が必要ですので、パンタグラフは2基になっているようです。

(つづいたりするかも)

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