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2007/06/26

電気の話(2)

(つづきかも)

Q:それじゃ、すべて交流で電化すればいいのに。交流と直流の2種類があるのが話をややこしくしていますね。

A:送電については交流の方が都合がよかったのですが、車両に関しては全く事情が異なります。電車はモーターによって動力を得ていますが、このモーター(電動機)には、交流機と直流機の2種類あります。電車の場合、速度の制御を頻繁に行わないといけませんが、交流機で速度(回転数)の制御を行うのは難しいのです。直流機では回転数は主に印可電圧に比例します(トルクとか負荷にも影響されますが、ここでは省略)が、電圧を制御するのは比較的簡単です(抵抗器のタップ切替えとか)。ところが、交流機では、回転数は専ら周波数に比例します。周波数というのは50Hzとか60Hzとかのことですが、これを連続的かつ素早く可変制御するのは従来の技術ではほとんど不可能でした。つまり、速度制御しやすいという理由で電車には専ら直流機が使われてきました。交流用電車でもモーターは直流用を用い、電動車が交流を直流に変換(コンバート)しています。交直流車が走る変電所と呼ばれているのは、この為ですが、自前の変電所をしょっているので当然車両の建造費は高くつきます。

このように交流と直流は一長一短ですが、路線建設のための費用より、交流用車両を建造する費用の方が高くつくとして、大都市圏を中心に直流電化が行われてきました。遅れて電化された九州や東北では路線が長大になりますので、建設費を安く上げることを重視して交流による電化が採用されました。

Q:最近は、インバータというものがありますが、これは何?

A:直流機には大きな欠点があって、交流機に比べて構造が複雑で、さらに、ブラシという機械的に摩耗しやすい部品が使われていることです。となると、メインテナンスを頻繁に行わないといけなく手間も費用も掛かることになります。これに対し、最近の半導体技術の進歩により、周波数を制御するということが実現できるようになり、そこで、その技術を使って交流機を用いて電車を走らそうという試みがなされるようになりました。具体的には、直流区間の場合、架線から得た直流を機関車や電動車で交流に変換(インバート)して、さらに交流に変換する時に周波数(と電圧)を連続的に可変させて交流モーターを回します。この直流を交流に変換する装置をインバータと呼びます(インバータは装置の概念的な名前なので具体的な方法にはいろいろあります)。交流区間に於いては、交流を一旦直流に変換して、再度インバータによって周波数可変な交流を得る、ということをやっています。一見二度手間のようですが、実は効率もよく制御しやすい方法なのです。ディーゼル車でも電気式と呼ばれるものは、ディーゼル機関で発電した電力を用いて電動機を回します。この場合も最近はインバータ技術を用いた交流機が採用されているのです。安価で手間の掛からない交流用モーターを活かせるインバータ技術は鉄道に限らず家電製品などにも応用されています。

Kasen-1.jpg

▲山手線で見掛けた架線:ちょう架線が2本あったりするので、ダブルメッセンジャー式かも。

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2007/06/24

電気の話(1)

ついでと言ってはなんですが、以前から書こうと思っていた電気関係について:電気は電圧が高いほど危険って感じですが、電圧の絶対値ではなく相対的な差=電位差が問題となってきます。つまり、5Ωの抵抗があって、一方の端が0V、もう一方が5Vだと(5-0)/5=1Aの電流が流れます。また、一方が600Vでもう一方が605Vの場合も、(605-600)/5=1Aの電流が流れるわけです。例の架線事故では2つの架線の電圧が違ったために電流が流れた(正確にはアークが飛んだのかな?)のですね。で、ここから本題:電気機関車とパンタグラフのお話です。

Q:交流区間では、なぜパンタグラフを1基しか使わないんですか?

A:交流というのは、時間とともに電圧が変化します。ある瞬間では0Vだが、別の時間では20000Vであるとなります。ここで、電気が伝わる速度は有限(光と同じ30万km/h)ですので、架線のような長い距離を伝搬する場合、場所によって電圧が違ってくるということになります(水面を波が伝わるようなイメージです)。つまり、ある瞬間、ある場所では0Vだが、別の場所では20000Vであるとなります。パンタグラフが2基あるということは別の場所から集電していることになりますので、それぞれのパンタグラフにかかる電圧が違うということになります。ちなみに、50Hzの場合、その波長は30万km/50で6000kmとなり、交流20000Vでパンタグラフの間隔が20mだとすると、その電位差は最大約0.4Vになります(計算があったいるか自信はない)。この電位差によって、電動車内を電流が流れてしまいます。これでは都合が悪いので、交流区間では1つの電動車/機関車に対して1基のパンタグラフを用います。

Q:というか、直流区間でなぜ2基もパンタグラフを装備する必要があるのですか?

A:架線などの導体を電気が流れる場合、電気抵抗が問題になってきます。抵抗が大きいと熱などのロスが発生し電力というエネルギーを効率良く伝達することが出来ません。パンタグラフは架線に接しているだけで、しかも滑って動きますので接触抵抗が特に大きくなります。この抵抗を減らす為には接触面積を増やす:即ちパンタグラフの数を増やすのが手っ取り早いことになります。

電気抵抗(r)によるエネルギーのロス(Q)は電流(I)に比例(Q=Ir^2)しますので、集電時の電流を減らせばロスも減ります。また、同じエネルギーを伝達するのに電圧を上げれば電流は少なくて済みます。交流区間でパンタグラフが1基で問題ないのは、電圧が高い為です。ところが、直流はあまり高電圧には出来ません。詳しくは省きますが、遮断が困難などの理由があります。交流20000Vに対し直流は600Vとか750Vが主流でした。家庭に送られてくる電力が交流であることからも分かるように、送電という観点からは交流の方が都合いいのです。電圧が低い直流だと架線自身の電気抵抗による電圧降下が大きくなり、それを補正するための変電所の数が多く必要になります。さらに交流に比べて直流用変電所は構造が複雑で費用も掛かりますので、直流電化は益々建設費が高くつくということになります。近年では直流でも電圧を高くする傾向にあります(それでも1500Vと交流に比べて低いですが)。また、チョッパ制御などで電動車の効率が上がっている、即ち少ない電流で大きなパワーが得られるようになってきていますので、最近の車両はパンタグラフが1つの電動車に付き1基の物がほとんどになっています。しかし機関車の場合、大パワー・大電流が必要ですので、パンタグラフは2基になっているようです。

(つづいたりするかも)

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2007/06/22

忘れていませんかシリーズ?

架線で思い出したんだけど、剛体架線をぜひリリースして欲しいところ。最近の地下鉄やJR東西線は専らこれだし。架線については、シンプルとコンパウンドしかないんだけど、現実には10種類くらいあるからね。例えば、ダブルシンプルカテナリーは環状線でよく見掛けるし。ユーザー登録でもわざわざ架線をリクエストする人はいないだろうし、I.MAGiCも忘れているんじゃないかと思う次第。そういう私も、6号のリクエストで書くつもりが忘れていたし(^^ゞ

ついでに、ザ・神社はやはり欲しいなぁ(ユーロでいうと教会か?)。ザ・農家とかザ・町工場とか、そしてザ・樹木とか(ちなみに、ザ・樹木はKATOの樹木キットと似たようなもん)‥‥‥って、これはTOMYTECの話だけど、なかなかツボをついているラインアップかも。

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2007/06/17

第7号に一言

第7号の詳細がぼちぼちと判明していて、まあ、いろいろあるんですが一言だけ言っておきます:

樹木はその後どうなったんだ? 今あるやつで終わり? 植生エンジンって言葉忘れていませんかい?

でも実は、システムパッケージはどうでもよくて‥‥‥ユーロシリーズはどうなったんだ? 「ライン川周辺にみられる一般住宅」ってのもアナウンスされたことがあったんだけど。あと、貨車やスイスの機関車なども早くリリースして欲しいですだ。

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2007/06/11

大半径カーブ

第7号で大半径カーブが来ちゃいましたね。V3にあってV4になかったものの1つがコレですが、V4ではフレキを使って任意のカーブが作れるのであまり有り難みはないです。大半径カーブの作り方は以前から書こうと思っていて忘れていたので、慌てて書いておきます。

R903-1.jpg

適当なカーブ(R631-30)を用意します。その一方に適当なレールAを接続します。AをZ=-272mm移動させたのがレールBです。ここで、631+272=903で、R903というのはV3に収録されている大半径カーブの曲率なわけです。

R903-2.jpg

AとBの両方を選択・コピーします。両方選択されたまま右30度回転させます。さらに、そのままA’がR631の右側に接続されるように配置します。

R903-3.jpg

あとは、フレキでAとA’を接続するだけです。スムーズなカーブにするには、フレキのハンドルを適当に調整する必要があり、ここが唯一最大のコツってところです(図は適当にやったものなので、もうちょっとハンドルを長くすべきでした)。まあ、カーブはどうとでもなるので、むしろ、IR980などの大半径ポイントが欲しいところですね。

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2007/06/06

地形データ交換:実践編

以前ちょっと紹介したVue5の地形をVRM4にインポートする具体例です。レイアウト自身は出来ていないのですが、地形についてだけでも書いておきます。

TORI_UC0L.jpg

レイアウトはこんな感じ。北(上)側は大半が山地で、南(下)が開けている、線路はその狭間を走っているって感じです。Vue5で地形を自動生成するのですが、この時、マウスのクリック1つでいくつもランダムに地形を作ってくれます。で、その中の1つがたまたま目的にあったって感じなので採用してみました。調子こいて、他のレイアウトに使う地形も作ってみようと思いましたが、線路と山谷の位置関係がうまくいかず全然ダメでした。

もちろん、Vue5でも自分で任意の山などを作ることができます。でも、それだとVRM4でマウスをグリグリして山を作るのと同じ手間が掛かるし、何より自分で作ったのは不自然な地形になっちゃいますからね。Vue5では川による侵食や風化などを計算によって作ってくれます。ついでに書くと、VRM4で地形を作る→Vue5で自然な風に加工→VRM4に再インポート、って手法も考えられます。が、VRM4での解像度が粗すぎてイマイチな結果です。

TORI_UC00.jpg

で、そのレイアウトをビュワーで見たのがこれ。VRM4側の分解能が低いので山のはがギザギザっぽいですが、まあ、全体としてはいい感じかと(これも偶然の作用ですが)。何より言えることは、楽っ! このレイアウトは大半が山なのですが、これだけの地形をVRM4で作るとなると大変な手間が掛かります。それをVue5では一発生成してくれますからね。当然、線路が埋もれたり宙に浮いたりしますが、それはVRM4側で整地すればいいですし、その手間を考えても地形インポートの方が圧倒的に楽です。欠点は先に言ったとおり、偶然に頼らないといけないってことですね。‥‥‥と、ここまで出来たところで、VRM4第7号で地形の仕様が変るというニュースが。どうなるのか分かりませんが、今の仕様でもレイアウトによっては使えるということですね。

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2007/06/01

ビデオカード徹底比較・特別編

色彩理論についてはカラーコーディネータの資格を持っているもんで、書き出すとキリがないんだけど、1つ思い当たる事があって‥‥‥それは、VRM4本「エキスパートガイド」のP.136にある「ビデオカード徹底比較」のなかの画質の比較です。即ち、ビデオカードの違いによってVRMで再現される色合いも違ってくるのです。当記事では、共著者の協力を得て、GeForceとRADEONについて比較しており、その生画像が付録CDに収録されています。改めてこれを検証するに、トラックバック先のSuchaCoolでもやられているように、画像ソフトを使って適当な部分を吸い取って比較してみます(うちではPhotshop使用)。画像は載せられませんが、P.136図14~16の103系の絵を使いました。

●103系スカイブルー
GeForce:H188 S78 B87 (#31C5DD)
RADEON:H188 S90 B74 (#12A6BC)

●103系オレンジ
GeForce:H14 S69 B93 (#EC6F49)
RADEON:H14 S78 B82 (#D1542D)

色彩を数値表現する方法はいろいろありますが、ここではHSB指標:H=色相、S=彩度、B=明度を用いました。()内はRGB成分の16進表記です。こうやって数値にしてみると、GeForceとRADEONでは全然違いますね。しかし、よく見ると、色相は同じで彩度と明度が違っていることが分かります(GeForceは明るく RADEONは彩度が高い)。これはなかなか興味深い結果です。

この様に、同じVRMの画像でもお使いのPCによって色合いは全然違ってくるということです。今回はスクリーンショットで比較しましたが、実際はこれをモニターディスプレイで見ているわけですから、モニターの色調調整具合によって、実際に人間が見る色合いは更に違ってくるわけです。この場合は、モニター画面をデジカメで撮るという手段が考えられますが、デジカメにも色の癖があるんで難しいですね(;^^)

さて、ユーザー環境によって色合いが違うのなら、正確な色についての議論なんて出来ないじゃん、ってことはなく、モニターを適切に調整することによって正確な色再現を行います。例えばうちでは、Adobe Gammaという調整ソフトを使ってモニターを調節しているわけです(DTPでは必須の作業です)。これにより、特にモニターと印刷した時の色を一致させることができます。色の数値化:例えば現実の車輌の色をどうやって調べるのか、などについては、機会があれば書きたいと思います。

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