« せんす | トップページ | 電線の話(2)~鉄塔 »

2007/11/06

電線の話(1)

4_Nampu01.jpg

以前、電気の話とかなんかを書きましたけど、この手の話題で引っ張ってみようかと思います。まずは、著者紹介:何を隠そう以前電線会社に勤めていて、そこではトロリー線なんかも作っていたわけです。製造部門にいたわけじゃないですが、設備関係というかシステム開発というかそんな部門でしたので、電線の作り方なんかは一通り知っていたりします。あと、電験3級取得とか学生時代は放送部だったりで、何かと電線については五月蝿かったりするわけです。いずれも昔の話なのでうろ覚えなところもありますが、まあ、理論的なものはそう変っていないと思います。

さて、電線について、まずは材料の話からしましょう。電線の導体としてポピュラーなのは「銅」ですね。銅は、金属の中でも電気抵抗率が低い部類に入ります。電線に電気を流す場合、導線の電気抵抗が高いと、そこでエネルギーが消費されてしまい、電気をいうエネルギーを伝搬する上でロスが生じてしまいます。家電などでも長時間使用していると電源コードが熱くなりますが、電気エネルギーが熱の形で浪費されているわけですね。そこで、銅のような電気抵抗率の少ない金属が電線の材料として採用されるわけです。銅のように抵抗率の低い金属として銀や金がありますが、それらはとても高価なので、コスト面から考えると銅が最適ということになります。なお、金線はICのボンダリングとかオーディオ関係のコネクタのメッキに使われますね。また、コンピュータの基板から金(と銅)が回収されるのはよく知られた話です。廃品回収業者は、基板から回収された金を売って利益を出していて、結構儲かるという話も聞いたことがありますが、実際のところは知りません。ちなみに、銅の値段は、金などと同様に相場制によります。銅の相場が上がると電線会社は苦しくなったりします。

銅の最大の欠点に、重いということがあります。家庭で使う電線は大したことないですが、14mmφの母線だと1mくらいの物でもずっしりとした手応えがあります。ドラ○エなどのRPGに「銅の剣」というのがよく出て来ますが、実際、銅のむくで剣を作ると無茶苦茶重くなります(先の14mmφの母線から銅の剣を作ってやろうかと思いましたが、仕事中にそんなことしていると怒られそうなのでやりませんでしたけど)。モノの本には「銅の剣は切るのではなくて相手を叩く」と書いてありましたが、それは確かで、あんなもので殴られたら痛いではすみませんね。ただ、銅は比較的柔らかいというのがありますので、剣の材料としては如何なものかと。銅の剣でぶっ叩くと相手もダメージを受けますが、剣の方も確実にひん曲がってしまうでしょう。

そんな重い銅線ですので、架空線:電柱によって空中に張る場合、その重さが問題となります。カテナリーというやつで、電線に掛かる張力と電線自身の引っ張り強度の関係が問題です。例えば、電柱と電柱の間隔が広過ぎると電線に掛かる張力も大きくなり、電線は自身の重さで切れてしまいます。カテナリー計算はルートが一杯出てくる無茶苦茶面倒くさい式になりまして、昔の職場の同僚はカテナリーと聞いただけで皆んな逃げ出してしまうほどです。まあ、電線を作る立場からいうと、規定の引っ張り強度を満たしていればそれでいいんで、いちいちカテナリー計算なんかはしませんが。もちろん、支える方:電柱もそれなりの強度が必要でしょうが、これは専門外なのでよく知りません。

(長くなったので、つづく)

|

« せんす | トップページ | 電線の話(2)~鉄塔 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/103983/16993977

この記事へのトラックバック一覧です: 電線の話(1):

« せんす | トップページ | 電線の話(2)~鉄塔 »