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2007/11/27

アルミの鎧

さて、電線の話ついでにいろいろと……銅もアルミも電気と同様に熱伝導率が高いという特徴がありますね。CPUクーラーのヒートシンクの材質は大抵アルミですが、銅で出来たものもしばしば見掛けます。そりゃ、アルミより銅の方がよく冷えるのは間違いないでしょう。しかし、銅は先に書いたように重いですので、ヒートシンクとして用いる場合、取扱いに注意が必要になってきます。取り付けも堅固に行う必要がありますし、うっかり足の上に落としでもしたら怪我しそうです。あと、銅は柔らかいのですぐ曲がっちゃいますよ。銅のヒートシンクは1個ほど持っていますが、なんかぐにゃぐにゃに曲がっちゃっています(何度か落っことしたせいなのだが(;^^) そんな訳で、個人的には、銅のヒートシンクはあまりお薦めできませんってことで。ちなみに、一番熱伝導率が高いのは金ですね。純金のヒートシンクを作るとさぞかしよく冷えるだろうと自作仲間で話題にしたこともありますが、誰も実践した人はいなかったです(もちろん予算の関係で)。ただ、普通のヒートシンクとCPUの間に金箔を挟んでグリスの代わりにするといいんじゃないかという話もありました。金箔なら値段もそんなにしないだろうし、金は非常に柔らかいのでヒートシンクとCPUの密着性にも問題ないだろうと。しかし、残念ながら、これも実践した人はいなかったです。金属以外も含めると一番熱の伝わりやすいのは、ダイヤモンドだとか……ダイヤモンドクーラー! 無茶苦茶冷えそうで、無茶苦茶高そうですなあ……。

RPGでは、銅の剣と共に「銅の鎧」も登場するようです。銅は確かに丈夫だけど、何度も書くように重いですからねぇ。全身を覆う鎧を作ると、その重さで身動きとれなくなっちゃうんじゃないかと。一方、熱や電気はよく通しますから、ドラゴンの火炎や電撃のブレスには強そうです(熱や電気を鎧から外に逃がす手段:つまり"アース"は必要)。もちろん、銀や金でもいいですが、無茶苦茶高価なものになりますので、予算的にはどうでしょうか。なお、金は鎧にするには柔らかすぎますので、丈夫な金属の上にメッキしたものになります。そこで、ドラゴン退治にお薦めなのが「アルミの鎧」です。アルミも丈夫で熱や電気に強いですし、こちらははるかに軽量という特徴があります。アルミの鎧なら普通の人でも着られるんじゃないかな。ただし、ファンタジー系のRPGは大抵中世頃の技術レベルですので、アルミの精練技術があったとは思えないですが(;^^)

蛇足ですが、ダイヤモンドクーラーとかアルミの鎧とかは拙作ゲームに出て来たりしますだ。

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▲「銀河」これも廃止が決まってしまいましたか……。

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2007/11/25

見てはいけない2

VRM4第8号で一番笑ったのが「R980ポイント」ですね。以前、大半径カーブより大半径ポイントが欲しいと書いたのですが……「R980ポイント」を第7号に入れ忘れましたか? お間抜けですなぁ(笑)。

学校設備は、項目だけ見るとVRM3と変わりないようだけど、VRM3と同様にデカかったりすると笑っちゃうかも。このうち、「ネット」は例によって落石防止用に使えるかなっと。使用例は「Thalys und Talent @V3」にあるので興味ある方は予習してくださいな。

で、地下駅云々。地下というかトンネル内は「見てはいけない」というポリシーなんだけど、補足すると……見てはいけない、と言っても消極的なものでなく、見えない部分を大いに利用すべしということです。トンネル内に隠しヤードなどを設けて、例えば、トンネルに入った列車がいつの間にかに方向転換して出てくるとか、鑑賞者が思っても見なかった出口から出てくるとか、そういうトリッキーな運転を実現するために、線路をトンネル内に隠してしまうわけですね。トリックの種をトンネル内に仕込むので、鑑賞者は見てはいけないってことです。このトリッキーな運転を意識して作ったのが「Thalys und Talent 2」だったりします。

もちろん、鉄道模型で地下駅を実現した例もあります。KATOのレイアウトプラン集のP.58、No.309なんかがそうですね。この場合、地下駅を本当に地下に作ると鑑賞者から見えなくなりますから、その断面を見せる格好になっています。水槽で蟻を飼って巣を観察するってイメージかも。VRMでも、そういったセクションモデルみたいなのを作ると面白そうだけど、パーツがそれに対応しているかどうかは知りません。

で、本題……剛体架線はどうした? 地下駅や地下線路があって架線がないのは、なんとも大間抜けですなぁ。

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2007/11/20

電線の話~やっとトロリー線

高圧鉄塔の補足:高圧送電線がアルミで間に合うのは、電圧が高いという理由もあります(数万~数十万V)。以前どこかに書いたけど、同じ電気エネルギーを伝達するのに電圧が高いと電流が少なくて済み、電流が少ないと抵抗損も少なくてすみます。

なかなかトロリー線の話になりませんが、話を銅線に戻して……。銅の電気抵抗率が低いと申しましたが、それは純銅の場合です。金属は一般的に不純物が混じると電気抵抗率が上がります。電線を作る場合、融けた銅をアレコレして線にするわけですが、材料に電気銅という電気分解を利用して作られたものものを用いることによってほぼ100%の純銅ができます。さらに、銅は酸化しやすいです。銅の中に含まれている酸素も抵抗率をあげる要因になります。水の中に空気(酸素)が溶け込むのと同様に、融けた銅の中にも酸素が溶け込むのです。オーディオファンの方なら、OFCというのをご存じだと思いますが、これはOxgen Free Copper:即ち無酸素銅のことで、酸素を含まない極めて電気抵抗の低い銅で、オーディオなど繊細な電気信号を扱う電線に向いているというわけですね。具体的には、溶解炉の中に松の木を放り込みます。松の木の炭素で還元させるわけですが、なんで松の木かというと、松脂が銅にいいらしいのですが、この辺は現場の知恵というやつでよく分かりません。

さて、それとは逆に、銅にわざと不純物を入れる場合があって、これがトロリー線というわけなのです。純銅は柔らかいと同時に対摩耗性もありませんので、鉄道の架線に用いた場合、あっという間にすり減ってしまいます。アルミの場合も同様です。そこで、銅にほんのわずかスズを混ぜると、電気抵抗は高くなりますが、大変堅く対摩耗性に優れた合金になります。スズと銅の合金は青銅と呼ばれますが、そこまでスズの濃度は高くなく、せいぜい2,3%です。電線会社では単に「スズ入り」と呼んでいましたね。スズ2,3%程度でも純銅に比べたら大変固いです。以前、書いたように、14mmφの純銅の母線はなんとか手で曲げられますが、スズ入りの場合、ものすごく堅くて人間の手に負える物ではありません。ついでに、銅の剣はすぐ曲がってしまうとも書きましたが、スズ入りなら充分実用に耐えます。RPGでよく見掛ける銅製の武器は、純銅ではなく何らかの銅合金なんでしょうね。あと、銅に銀を数%混ぜることもあります。錫入りと同様に強度が上がり、電気抵抗の劣化が少ないですが、銀を用いますのでそれなりに高価で滅多にお目に掛かることはありませんでした。

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2007/11/16

れいこん2007

ええっと、はっきり言って、参加賞狙いです。

今回はパスしようと思っていたのですが、なにしろ参加賞をくれるらしい。となると、物欲主義からいっても、貰える物は貰っておかないといけないってわけ(これが"賞金"なら応募しなかった)。

というわけで、作品の内容についてはノーコメントだけど、例によってアンチテーゼなものだったりはします。でもなぁ……他の作品はまだ見ていないけど、一言だけ:ユーロシリーズが他に見当たらないのはなぜ?

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2007/11/13

静電気、アース、そして感電へ

いきなりですが、クイズです。さて、あなたは今から自作PCの組み立てをやろうとしています。まず、最初にするべきことは?

  1. 手を洗う
  2. 服を脱ぐ
  3. 部屋の換気

正解は、(1)で、次に(2)です。(3)は、ハンダ付けや塗装の場合には必要ですが、組み立てだけなら、まあ不要でしょう。さて、何かというと、これは静電気対策ですね。人体に溜まった静電気でPCパーツが壊れるのを防止するためです。

手を洗うというのは、水道水を通して静電気がアースされるからです。家庭で静電気対策するならこれが一番手っ取り早い方法です(洗濯機なんかのアースを水道管に繋ぐのも同じ理由からですが、あれはあくまで暫定的な方法なので念為)。ま、組み立てという厳粛な儀式を行う前に、身を清めるという意味からも手は洗った方がいいですね。

(2)については、衣服の摩擦が静電気の原因になるからです。とくに冬場、セーターを着ていると危ない。具体的には忘れましたが、セーターとシャツの材質が異なる場合、特に危険です。と言って、全部脱ぐ必要はないので、お薦めは靴下だけ脱ぐことです。裸足になれば、そこから静電気が逃げていく可能性が大きくなりますし、金属製の家具があれば、それに触れておくとよろしいです。あと、体質によっても静電気の溜まりやすい人とそうでない人がいるようですね。

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ついでに、これがリストストラップというやつ。これを手首に装着してアースに繋ぐわけですが、PCの組み立てでそこまでするかぁ~ってところですね。以前勤めていた会社にも一部電子部品を製造するラインがあって、そこの作業者はこういうのをはめていたかも。

さて、以上はあくまで静電気対策について。これが強電:100VACとかをいじる場合は事情が違ってきます。家庭でそういうことがあるかどうか分かりませんが、もし生きている100Vを弄らないといけないことになったら、靴下を脱ぐどころかゴム底の靴をはいて作業するべきです。この場合は、人体がアースされていて電気が流れやすくなっていると危険、大地から絶縁する方が大事ということ。そこで、ちと体験談なんぞを。

以前いた工場で設備の電源関係を見てくれと言われたことがあったんですね。それで、継電器なんかが収納されている端子箱を調べることになったんですが、それはちと高い位置にあって、設備の上に乗らないと届かない。で、私としては、他の部署の機械ということもあって靴を脱いで上に乗って作業したわけです。現場の課長さんも礼儀正しいとかなんとか誉めてくれてくれたのですが、これが大不正解。しっかり感電してしまいましたとさ。しかも、200VACだったものでかなり来ましたぜ。ビリビリちゅうのが 100V程度ならせいぜい手首くらいまでなんですが、ひじくらいまで来ましたね。工場内ではごっつい安全靴というのを履くのですが、まあ、感電対策としても、ごっついのは伊達じゃないってことですな。

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2007/11/09

電線の話(2)~鉄塔

先日の補足:電気抵抗率は、金>銅>銀の順に低くなり、銀が一番電気を通しやすく、金は銅より抵抗率は高いです。ICの内部配線に金が使われている理由は専門外なのでよく分かりません。コネクタの金メッキは、表面の酸化や腐食に強いからかな?

さて、銅は重いという話のつづきから:街の中では小まめに電柱を立てればいいのですが、例えば、郊外にある発変電所から都市まで、あるいは、都市間の電力移送のためには長大な距離に電線を張らないといけません。この場合、地中を通すとコストが掛かって仕方ないので、やはり架空送電ということになります。が、銅線を用いて町中のように電柱を立てまくるわけにもいかないですね。コストも掛かりますし、山や谷を越えるのにえらい騒ぎになりますし。で、銅より軽い材質を用いて、電線の重量=電線に掛かる力を減らして電柱(鉄塔)間の距離を長くするわけです。その材質がアルミニウムです。アルミの電気抵抗率は銅より高いですが、比重ははるかに小さいです。電線の断面積を大きくすれば、抵抗率が高くても線路全体の電気抵抗は下げることができます。断面積を大きくすると電線自身が重くなりますが、アルミは比重が低いので致命的ではないというわけです。郊外で見られる鉄塔に張られている送電線はもっぱらアルミ線ということです。もちろん、電線会社ではアルミの架空線も製造しています。

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鉄塔の実物写真がなかったので、I.MAGiC製の物に登場してもらいましょう。実物の鉄塔をよく観察すると、図の赤色:鉄塔のてっぺんにも1本だけ線が張られているのに気付くと思います。これが架空地線です。架空地線はその名の通り、鉄塔を通して地面にアースされています。つまり、送電線の上にアースが通っているという状態です。なんでこんな線が必要かというと、もちろん、雷対策ですね。雷に関しては直雷だけでなく誘雷とかサージとかいろいろあるのですが、架空地線がないと、雷雲が近づいただけで送電線に異常電圧が発生して、まあ、発変電所がぶっ壊れることになります。

I.MAGiC製鉄塔にはこの架空地線がないというか、線を引くためのジョイントがないという欠陥品です。VRMレイアウトで雷がなっている風景なんか作らないだろうけど、雷には弱いってことです。もちろん、自分で無理矢理、線を張ることはできますが、そこまでやっている人はいるのかな? 専門知識がなくても実物をよく観察すれば、そういう線があるってことは分かると思いますがね。

雷ついでに……雷が鳴ったらコンピュータやモデムの電源を切れ、というのはよく言われますが、これも直撃を受けないまでも、電源線や電話線に異常電圧が発生する恐れがあるからで、とくにモデムは危ないです。電源からだけでなく電話回線からサージをくらう恐れがありますから、雷が鳴ったら電源を切るだけでなく電話線をひっこ抜いておいた方がいいですね。ちなみに、光ファイバーの場合は雷の影響は受けませんので安心です。

電線の話からあちこち寄り道していますが、今日はこの辺で。

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2007/11/06

電線の話(1)

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以前、電気の話とかなんかを書きましたけど、この手の話題で引っ張ってみようかと思います。まずは、著者紹介:何を隠そう以前電線会社に勤めていて、そこではトロリー線なんかも作っていたわけです。製造部門にいたわけじゃないですが、設備関係というかシステム開発というかそんな部門でしたので、電線の作り方なんかは一通り知っていたりします。あと、電験3級取得とか学生時代は放送部だったりで、何かと電線については五月蝿かったりするわけです。いずれも昔の話なのでうろ覚えなところもありますが、まあ、理論的なものはそう変っていないと思います。

さて、電線について、まずは材料の話からしましょう。電線の導体としてポピュラーなのは「銅」ですね。銅は、金属の中でも電気抵抗率が低い部類に入ります。電線に電気を流す場合、導線の電気抵抗が高いと、そこでエネルギーが消費されてしまい、電気をいうエネルギーを伝搬する上でロスが生じてしまいます。家電などでも長時間使用していると電源コードが熱くなりますが、電気エネルギーが熱の形で浪費されているわけですね。そこで、銅のような電気抵抗率の少ない金属が電線の材料として採用されるわけです。銅のように抵抗率の低い金属として銀や金がありますが、それらはとても高価なので、コスト面から考えると銅が最適ということになります。なお、金線はICのボンダリングとかオーディオ関係のコネクタのメッキに使われますね。また、コンピュータの基板から金(と銅)が回収されるのはよく知られた話です。廃品回収業者は、基板から回収された金を売って利益を出していて、結構儲かるという話も聞いたことがありますが、実際のところは知りません。ちなみに、銅の値段は、金などと同様に相場制によります。銅の相場が上がると電線会社は苦しくなったりします。

銅の最大の欠点に、重いということがあります。家庭で使う電線は大したことないですが、14mmφの母線だと1mくらいの物でもずっしりとした手応えがあります。ドラ○エなどのRPGに「銅の剣」というのがよく出て来ますが、実際、銅のむくで剣を作ると無茶苦茶重くなります(先の14mmφの母線から銅の剣を作ってやろうかと思いましたが、仕事中にそんなことしていると怒られそうなのでやりませんでしたけど)。モノの本には「銅の剣は切るのではなくて相手を叩く」と書いてありましたが、それは確かで、あんなもので殴られたら痛いではすみませんね。ただ、銅は比較的柔らかいというのがありますので、剣の材料としては如何なものかと。銅の剣でぶっ叩くと相手もダメージを受けますが、剣の方も確実にひん曲がってしまうでしょう。

そんな重い銅線ですので、架空線:電柱によって空中に張る場合、その重さが問題となります。カテナリーというやつで、電線に掛かる張力と電線自身の引っ張り強度の関係が問題です。例えば、電柱と電柱の間隔が広過ぎると電線に掛かる張力も大きくなり、電線は自身の重さで切れてしまいます。カテナリー計算はルートが一杯出てくる無茶苦茶面倒くさい式になりまして、昔の職場の同僚はカテナリーと聞いただけで皆んな逃げ出してしまうほどです。まあ、電線を作る立場からいうと、規定の引っ張り強度を満たしていればそれでいいんで、いちいちカテナリー計算なんかはしませんが。もちろん、支える方:電柱もそれなりの強度が必要でしょうが、これは専門外なのでよく知りません。

(長くなったので、つづく)

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