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2007/11/20

電線の話~やっとトロリー線

高圧鉄塔の補足:高圧送電線がアルミで間に合うのは、電圧が高いという理由もあります(数万~数十万V)。以前どこかに書いたけど、同じ電気エネルギーを伝達するのに電圧が高いと電流が少なくて済み、電流が少ないと抵抗損も少なくてすみます。

なかなかトロリー線の話になりませんが、話を銅線に戻して……。銅の電気抵抗率が低いと申しましたが、それは純銅の場合です。金属は一般的に不純物が混じると電気抵抗率が上がります。電線を作る場合、融けた銅をアレコレして線にするわけですが、材料に電気銅という電気分解を利用して作られたものものを用いることによってほぼ100%の純銅ができます。さらに、銅は酸化しやすいです。銅の中に含まれている酸素も抵抗率をあげる要因になります。水の中に空気(酸素)が溶け込むのと同様に、融けた銅の中にも酸素が溶け込むのです。オーディオファンの方なら、OFCというのをご存じだと思いますが、これはOxgen Free Copper:即ち無酸素銅のことで、酸素を含まない極めて電気抵抗の低い銅で、オーディオなど繊細な電気信号を扱う電線に向いているというわけですね。具体的には、溶解炉の中に松の木を放り込みます。松の木の炭素で還元させるわけですが、なんで松の木かというと、松脂が銅にいいらしいのですが、この辺は現場の知恵というやつでよく分かりません。

さて、それとは逆に、銅にわざと不純物を入れる場合があって、これがトロリー線というわけなのです。純銅は柔らかいと同時に対摩耗性もありませんので、鉄道の架線に用いた場合、あっという間にすり減ってしまいます。アルミの場合も同様です。そこで、銅にほんのわずかスズを混ぜると、電気抵抗は高くなりますが、大変堅く対摩耗性に優れた合金になります。スズと銅の合金は青銅と呼ばれますが、そこまでスズの濃度は高くなく、せいぜい2,3%です。電線会社では単に「スズ入り」と呼んでいましたね。スズ2,3%程度でも純銅に比べたら大変固いです。以前、書いたように、14mmφの純銅の母線はなんとか手で曲げられますが、スズ入りの場合、ものすごく堅くて人間の手に負える物ではありません。ついでに、銅の剣はすぐ曲がってしまうとも書きましたが、スズ入りなら充分実用に耐えます。RPGでよく見掛ける銅製の武器は、純銅ではなく何らかの銅合金なんでしょうね。あと、銅に銀を数%混ぜることもあります。錫入りと同様に強度が上がり、電気抵抗の劣化が少ないですが、銀を用いますのでそれなりに高価で滅多にお目に掛かることはありませんでした。

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