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2011/12/29

論理的レイアウト

先日の補足:「見るな」ちゅうのは、例えばレイコンに向けてレイアウトを作っている期間限定かな。レイアウトを一度作りはじめたら、自分の感性を信じて他の影響は受けない方がいいぞってことです。で、コンテストが終わって充電期間に入ったら、他のレイアウトを鑑賞するのもいいけれど、他人の技術や知識は学べても感性(センス)だけは学べないので自分で磨くしかない、という感じかも。

さて、せっかくの年末なので今まで書こうと思って書いていなかったことをいろいろと。まずは、誰でもいいんだけど、例えばレイコンの入賞者さんに1つ聞きたいと思っていることがあります。それは、そのレイアウトについて、「この信号機はなぜそこにあるのか?」「この側線は何のためにあるのか?」といったことです。例えば、信号機1つをとっても、なぜその位置に配置したのか?ってことです。答えの1つとして、「そこにあると見栄えがいいから」「絵画的にみて、その位置にあると構図のバランスがとれるから」というものがあるでしょう。これはこれで立派な理由だと思います。レイアウトを絵画的に見て、構図のバランスをとりながらアイテムを配置していく、そんなセンスだけでレイアウトが作ることができる人は尊敬に値します。で、センスのない私はどうするかというと……信号機の問いに対する答えとしては、「遠方信号機は場内信号機の400m手前に配置すると決められているので、その位置におく」というものです。標識類も法令で定められた位置に配置します。即ち、論理的にレイアウトを作っていくのです。ちなみにTrainzの信号機は論理的に配置しないと列車が運転できなかったりするので、私好みかも。

↓クリックでつづき

以前書いたと思いますが、電化路線ならば必ず変電所を配置しないと、その架線には電気が流れていないぞ、というのがあります。交流に比べて直流電化の変電 所の数を多くすればなお宜しい。専門が電気なもので、特に送配電については厳密に配置します。例えば、山中の一軒家でも人が住んでいる以上、電柱を置き電 線を取り込みます。非電化路線でも電気信号機があるなら、そこまで配線する通信電柱またはトラフを設置します。電気関係だけでなく、社会・経済・歴史的に みても、論理的に整合がとれた街並みにするべきです。この御時世だから防災・防犯にも気を付けたいところです。海岸線の風景を作るなら、まあ、いろいろと 防災対策を施しておくべきでしょう。防犯についても、消防署や交番がない街なんかには住みたくないぞってところです。ちなみに、レイアウトを社会学的に追 求したのが、未完となっているVRM3の「桜崎物語」なわけです。また、ここだけの話ですが、Trainzレイアウトについて Auranの人から「あなたのレイアウトは架空のものである筈なのに、現実のように見える」と言われたことがあります。それは当然で、架空の街でも現実世 界の理論に基づいて作っているからです。

というわけで、「観察」は大事だと再三書いているのですが、具体的にどうすればいいのか、もうお分かりでしょう。「その信号機はなぜそこにあるの か?」「この電柱はなぜ必要なのか?」など、「なぜなぜ」と自問しながら現実世界を見てまわればいいのです。そんな向学心というか探求心をもって、現実世 界を観察し、今度はそれをレイアウトという仮想空間で再現するのです。自分で現実世界の論理に基づいた世界を作ることにより、現実世界の仕組みに対する理 解が深まるというものです。世の中、節電節電と騒いでいますが、ちゃんと電気のことを理解して言っている人はどれくらいいるのか疑問です。例えば、変電所 から各家庭までどういうルートで電気がやって来るのか、VRMでそれを再現してみませんか? 発電所はないけど、変電所からなら各アイテムがVRMには揃っていたと思うし。まあ、そんな感じで、レイアウトを作る目的はいろいろあるでしょうけど、共 通する目的が1つあって、それが「レイアウトを作ることにより、現実世界の科学技術や歴史・経済などの仕組みを学ぶ」ことなのです。

とは言え、電気のことは専門外なのでパス、という方もいるでしょう。なら、なぜ学ぼうとしないのか? パスと言っている時点でダメダメですが、救いの手は、ユーザーコミュニティの活用ですね。確かに、一人で電気から経済までの知識を網羅するするのは難しい ので、情報交換するわけです。つまり、他人のレイアウトから何を学ぶのかというと、現実世界に関する知識に他なりません。とあるレイアウトを見て「踏切の 側にあるこの箱は何?」「それは継電箱といって中にはリレーが入っていて……」などとやりとりが出来れば理想的ですね。

だがしかし、レイコンの総評を見ると「このレイアウトは物流システムを現実通りにシミュレートしている」とか「鉄道工学を学ぶのに最適なレイアウ ト」とかいう評価は見当たらないですからねぇ。実際そういうレイアウトがないのか、主催者が評価しない(できない)のか知りませんが、私が応募した時のこ とを書くと……最初が「落日」と「TwoSide」ですね。「落日」は絵画的な要素を重視したもので、逆に言うと現実にはあり得ない鉄道シーンです。 「TwoSide」は、発展途中の街(モデルは泉佐野)をシミュレートしたもので、実際にその街に人が住めるように論理的に作ったもです。わざと正反対の 性格を持つ作品で応募したわけ。で、賞を頂いたのが絵画的な「落日」の方で、この時点で、自分の考えていた鉄道シミュレーションとは何かが違うぞ、と思っ たものです。で、2年後、「夏の日の幻想」と「マイクロ新大阪」で再度応募。「夏の日の幻想」は名勝地を露骨に切りつなぎ媚をうった作品で現実には絶対あ りえない鉄道シーン、「マイクロ新大阪」はビネットながら、現実世界を徹底的に観察し、論理的に再現したもの。で、賞を頂いたのが「夏の日の幻想」の方 で……ダメだこりゃ、とそれ以降、応募する気にはなりませんでしたとさ。御精読感謝。

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